皆様こんばんは。『ヒカルの碁』3巻のレビューになります。

前の記事同様3巻までのネタバレを含んでおりますので、閲覧は自己責任で宜しくお願い致します。

目次

①強烈な縛り、目隠し碁

②ペテン師三谷登場

③左利きのペテン師

④成長、鍵となるのは囲碁に対する真剣さ


①強烈な縛り、目隠し碁

2巻最後で海王中学2年の伊藤、小島、そして1年の奥村が囲碁でアキラに勝つための方法を模索していた中出てきた答えが「アキラの両手両足を縛る」という方法でした。僕は物理的な縛りを期待していたのですが、結局アキラに本の整理をさせながら、盤上を見せずに戦うという方法で彼ら勝負を挑みます。

佐為には敗北したものの、その他の人間に対し負けることは無いという自負のあるアキラはこの圧倒的不利な条件を受け入れます。すごいですよね。いくら得意な分野であったとしても僕は目隠しをされて勝負をすることは不可能のように思います。盤面を記憶しつつ、相手を負かせるというのは才能だけで片付く話ではありません。アキラの圧倒的な努力量が背景にあることを示す良い場面だったと思います。

伊藤とのサシでの勝負でアキラは見事勝利、小島&奥村とは2人同時の対局を繰り広げます。しかしながら奥村の戦略性の無い無計画な手を、アキラは盤面を記憶することが出来ず苦戦します。その時同じ囲碁部の3年生日高が登場したことで勝負は一旦中止、面と向かっての対局で再開することになります。同じ条件であればアキラが負ける通りはありませんから、この2人を叩きのめし勝負は喫します。

結局のところ、不正をして勝とうとした「いじめ」とも呼べる行為をした伊藤は囲碁部を退部。このことを含め、アキラが海王中学にいることのメリットが多くの部活生には感じられず、アキラと海王中囲碁部との間には確執が発生します。


②ペテン師三谷登場

一方で葉瀬中は海王ほど部員がいないため、未だに部員探しが続いていました。前回の記事で僕は「あかり」が囲碁部に入るのでは無いかと予想していたのですが、大会では男女別に分かれているそうで予想は全くの見当外れでした(笑)。

そんな折、囲碁部の入部勧誘ポスターの問題に答えた生徒が現れます。それがヒカルと同じ1年生の「三谷」でした。彼の実力はヒカルは元より、葉瀬中2年の筒井をあしらう程の腕前でした。しかしながら三谷は対局中に整地のごまかしをしたり、一手打ったように見せかけて相手の「二手」を誘発したりするなど正々堂々の勝負をしないペテン師でした。とは言えこの一連の所作に僕は三谷が「勝利という結果にに拘る」人間のように感じました。


③左利きのペテン師

三谷は賭け碁が可能な囲碁サロンに足を運び、相手にわからないよう不正を働いて金をとっていました。筒井との対局で案外素直な手を打つ三谷を見ていた佐為(ヒカル)は、この不正をやめさせるべく囲碁サロンに乗り込みます。そこで1万円をかけた勝負を行っている三谷を発見、様子を見守ることになりますがこの時の対局の相手が左利きのおっさんでした。

このおっさんは左利きになると本気を出すようで、かなり実力がある三谷をも圧倒します。しかし実はこのおっさんも、不正を働く三谷ですら気づかないレベルで不正の出来るペテン師でした。三谷の不正を見抜いていたサロンのオーナーによる彼への刺客だったのです。結局三谷は左利きのおっさんに敗北し、1万円を渡しサロンを去ります。

不正と汚い手口を行ったおっさんを佐為は許すことが出来ませんでした。「中押し」で勝つことをヒカルに宣言し、対局に臨みます(※)。結果は佐為の圧勝、左利きのおっさんは「本因坊秀策……」と呟きながら抜け殻のようになっていました。

※ちなみに「中押し」は「ちゅうおし」と読み、勝敗が明らかになった際に勝負を最後まで行わず途中でやめることを指すそうです。つまり不正(=整地いじり)をさせる暇も無く勝ちきることを意味しています。


④成長、鍵となるのは囲碁に対する真剣さ

ヒカルに借りのできた三谷は囲碁部への入部を受け入れます。ようやく3人揃って大会に出られるようになったわけですが、筒井は三谷に対し不信感を払拭できていませんでした。そもそも囲碁は整地をいじるなどの不正をしないという互いの信頼関係を前提に成り立っている競技ですから、不正を地で行う三谷に信が置けないのはごく自然な反応だと思われます。また大会で不正が発覚した際は囲碁部の存続も危ぶまれるというリスクを背負うことになりますしね。

とは言え背に腹は代えられぬと思ったのか三谷・筒井・ヒカルの3人で大会への出場が決定します。葉瀬中は2回戦でアキラのいる海王中と当たることになるため1回戦の対局が終わった三谷は海王中における自分の対戦者:岸本の対局を覗き見します。三谷自身も囲碁に対する相応の自負がありましたが、岸本の中学生離れした実力を目の当たりにし、かつ社交辞令の挨拶を交わしただけで自分のことを歯牙にもかけていない様子を察し、その悔しさから真剣に対戦を希望するようになります。

ヒカルもヒカルでどんなに苦戦しようとも佐為の力を借りずに最後までもがき戦います。筒井も言葉にトゲは混じっていますが、三谷の強さを認めるなど彼を一人の部員として、メンバーとして受け入れるようになりました。その様子を見た佐為は真剣に囲碁と向き合う中学生の成長を感じずにはいられませんでした。

僕は三谷を「勝利という結果に拘る」人間だと上記しておりましたが、三谷自身も大きく変わろうとしていますね。「囲碁に真剣に取り組む」ことで不正を働いてまで得ていた勝利のその先を見つめているように成長していると感じました。


以上『ヒカルの碁』第3巻のあらすじ・レビューでした。

ちなみに余談ですがこの漫画の監修をされている梅澤由香里氏は第1巻の時に二段だったのですが、第3巻で三段に上がっていらっしゃいました。おめでとうございます!(もう何年も前の話だけど)

それでは今日はこの辺で。